EXPERT TECHNIC

赤木光広

【共通テーマ】ブリ系とヒラマサ、カンパチ、それぞれでやり取りを変えていますか?変えているとしたらどう意識を変えていますか?

バイトに持ち込むのもひと苦労する青物。
さてどうやって強烈な引きに対応し根を回避して見事ビッグワンを手中にするか。
御三家それぞれに習性や性格、パワーも違い、マクロの視点で考えるのは少し無理があるので、私なりに少し掘り下げて考えてみたいと思う。
それは地形やバイトレンジ、あるいは魚のサイズに大きく左右されるので、一概に決めるのは無理があると考えるからだ。

例えばヒラマサなら、沖磯でしかも水深のあるエリアでトッププラグにヒットした場合と、根の入り組んだ地磯などで水深3~5mの浅場でヒットした場合とはまるで違う対応となるからだ。
そういった要素を含んだ上で、ざっくりとした説明となることをお許し頂きたい。

通いなれたポイントで地形も把握して主導権を得られる状況であるならドラグ負荷を最大値に掛け一気にスタミナを奪うのが理想と考えるが、ポイントや魚のサイズによってはそうもいかない場合もある。

例を挙げると、それなりのサイズのブリ、ヒラマサがヒットした場合、沖磯で30m以上の水深があり、表層付近でしかも沖合でのヒットであれば、私は適度なテンションを掛けて寄せず出さずのファイトをよく試みる、障害物の少ない沖で適度に体力を消耗させることを意識している。
この場合、余力を残して早く寄せるより、沖で体力を消耗させて最後に勝負する方を選んだ事になる。

柔道の寝技の様に絡みつくかの様にロッドは8分のベンドを掛ける様な感じの負荷を与えジリジリと体力を消耗さてやる。
時には少し寄せては再び沖に出す事を数回往復させ体力を消耗させるのも特に大型のブリには有効だ。
但しこの場合のみに限らずサイズやレンジ、状況次第で勝機あると判断したならドラグを締め込みガンガン寄せて勝負することも多々ある。

逆に厄介なのが秋シーズンによくある浅い地磯にヒラマサが乗っ込んでくる場合だ。
潮岬などは目の前に何ヶ所も水面から根が突出しており、たった2m潜行されただけでサイズに関係なくブレイクという結果になる。
こんな場合は魚を沖に出すことなど到底できない。
こんな場合は遠慮会釈なくメインラインをPE6号以上にして超ガチンコファイトをしている。
この場合、ベタ凪でも磯際ギリギリに立たず、のされた時のために一歩分の距離を残しておく様にする。

大まかな特徴として、ブリ系はテンションを掛けても根に入らず根に沿って締め込むことが多いが、
ヒラマサはテンションに比例して下へと向き根を縫う様に疾走するので
テンションの掛け方をファイトレンジや地形によって変える事も大事ではないかと思う。

最後に一番厄介な魚種がカンパチである。こいつの頭の中は根魚だと思って欲しい。
テンションに関係なくバイトした瞬間から下に向く習性があり、そこえ加えてパワーは同じ青物でも桁が違う。

昔、ラインがナイロン時代に、私は潮岬で何度もルアーを持っていかれた記憶は今でも鮮明だ。
できるだけ表層でバイトさせたいが中々そう上手くもいかないのがこの魚の辛いところ。

もしジグで喰わせたなら、ドラグを出されている最中、一か八かで急にオープンベールにするのが私の最終手段。
底の根にブチ当る勢いで締め込むカンパチが急にラインテンションが無くなると運が良ければ頭から根に激突する可能性があるからだ。
「根に執着しない魚は根に溺れる」可能性だってある。
ただこれはあくまでも運頼りなので感覚でやるしかなく成功率は極めて低いということが前提と考えて欲しい。

2016.07.19 10:54
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