EXPERT TECHNIC

大野 祐

釣り場に寄せる波について

釣りとはちょっと違いますが、私は20年以上サーフィンを続けております。
今も平均すると週2ペースで波乗りしており、波については常に気にしています。
また、私の住んでいる千葉県は全国でも有数の波が立ちやすいエリアです。
そんな訳で波・ウネリに関してはそれなりに知識・経験を積んでまいりました。
今回は釣りに影響する波、ウネリについてお話させて頂きます。

1. 天気予報の波高は参考程度
釣りをしていれば釣行日の天気予報は当たり前にチェックしておられると思います。
内海は別にして外海であれば当然、波の高さなどもご覧になっている事でしょう。
しかし、天気予報の波の高さと実際に釣り場で見る波の大きさは違う事がよくあります。
それは、エリア付近の風の強さとウネリの大きさ・ポイントの相関で実際の波は変わってくるからです。
天気予報の波の高さは参考程度と考えて、実際の釣り場の波を予想するようにしましょう。

2. 風波とウネリの違い
まず、波はどうやって起きるのか?
どんな波でも間違いなく、風が吹くことによって生まれます。
強い風が吹いて水面が波立ち、それがそのまま押し寄せるのが風波です。
水面の荒れ具合が大きくなったものと言っていいでしょう。
荒れ日で波高は高くても、実際には波に力がない事が多いです。

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一方、ウネリというものはその風波の変化したものです。
風波が遠くまで伝わる間に重なり合い、大きく、強くなっていきます。
波の高さはなくても力強いので、風波より遠くまで伝達します。
なので風が弱く海面は穏やかでも、波が大きいという時はウネリが大きいという事です。

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3. 波長と波・ウネリの方向について 
波には波長(ウネリの長さ・幅)という要素があります。
簡単に言えば風波は波長が短く、ウネリは波長が長いものという事です。
進んできたウネリは水深が浅くなると立ち上がり、波となってブレイク(波乗りする波)します。
足元から急深なポイントではブレイクしないまま津波のように水が上がってきます。
ブレイクする波は勢いが強く、飛ばされて怪我に繋がります。
ウネリが乗り上げてくると荷物も人も流され、落水に繋がります。
どちらも危険ですので十分な注意が必要です。
また、波、ウネリには進む方向があります。
風向きと同じようにその方向を把握する事が大切です。
例えば、沖縄あたりに台風があれば南西からウネリが来ます。
その日の波・ウネリの方向・大きさを考えるようにしましょう。

4. そのエリア・ポイントの特徴を知る 
様々なエリアにポイントが点在しますので、そのポイント毎の特徴があります。
例えば西向きであれば東からの波、ウネリの影響は少ないなどが挙げられます。
また安全面に留意すれば、波が当たる方が好条件となったりもします。
狙うターゲット、釣り方によって条件の良し悪し、危険度も変わります。
自分の釣行するエリア、ポイントの特徴を把握していれば、釣果でも安全面でも有利です。

5. 必ず安全が最優先
アングラーなら当然、魚を手にしたいと思うはずです。
実際、私も磯でヒラマサやヒラスズキを狙う上では荒れた日が好条件です。
釣りができるギリギリが最も釣れる可能性があります。
しかしあくまで釣りは遊び、生命や無事と引き換えにするものではありません。
必ず安全を確認して、大丈夫と思っても十分なマージンを取るようにしましょう。
防波堤でも同様に波には十分注意してください。bsp;

2015.09.25 08:28
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