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2019.05.10

【後編】最果ての島・小笠原諸島母島遠征

●釣行日:2019年4月28日~5月2日(後編5/1~5/2)
●ポイント(場所):東京都小笠原諸島 母島
●名前:担当者2
●使用ルアー/ジグ:撃投ジグハイパー150g、ビギン180mm
●使用フック/サイズ:ジガーミディアムロック9/0、STX-68#5/0
●魚種/全長(cm):ロウニンアジ1mちょい、カマスサワラ120~130cmぐらい、キハダ約80cm、バラフエダイ約80cm、カッポレ、バラハタ他

前編はこちら

5/1、沖磯釣行3日目。
記念すべき令和初日は、ウネリが落ちたためそれまでとは逆方向の母島北側へ向かうこととなりました。
北側の代表磯といえば、伝説のサワラ根。
そこに乗れるかもしれないという甘い期待を抱いておりましたが、あいにく先攻者がいるとのことでしたので、私たち3名は沖港を出てすぐにあるメガネという沖にポツンとある独立礁に渡礁。
潮通しが良さそうで、前日に江川さんがロウニンアジ90cmを上げられていたので実績は十分です。

1

磯は直径30mほどで、ほぼ一周歩いて回れます。
妙に崩れやすい岩質でしたので、いつ崩れてもよいよう注意して歩きました。

釣り場は広いため、それぞれが好きなポジションで釣りをスタート。
私は海が見渡せ、南東風にのせてルアーをより遠くに飛ばせる足場が5mほどの高場をセレクトしました。

まずは活性の高い個体を狙うためにポッパーのビギン180mmからスタート。
1ポッピングの間に2~3秒ポーズをとるスローポッピングで攻めていると、北西側のブレイクで何か大型魚が水柱を立ててバイトしてきましたが乗らず。
しかし次のポッピングでもう一度バイト。
こちらは完全に重みがロッドまで伝わりましたがすっぽ抜け…。
この時フックはブループラッガーの2本掛け。
シングルフックは太めのポッパーのようなバルキーなルアーとの相性が悪いと以前北大東島で経験していたのですが、2本掛けなら大丈夫だろうと甘い考えでいた私のミスです。
せっかくの大型バイトを無駄にしてしまいました。

慌ててフォローでダイビングペンシルやストライクプロを投げましたが、相手はどこかに去ってしまったようで反応なし。
しばらく後悔に苛まれ、釣りへの集中力を欠いた状態が続きました。

トップには反応が無くなったので、ジグで地形を把握しようと撃投ジグハイパー150gを投入すると、70~80m沖で潮が動いているワケでもないのに着底まで70秒ほどかかってしまいます。
私が知っている磯の中では一番水深があります。
「深い=釣れる」のではないですけど、何かが起こるのではないかという期待を込めてジグをシャクリ続けるも、釣れたのは小型のカッポレのみ。

2

しばらくすると堀さんからタイドプールに泳いでいたという手頃なサイズの活シマダコをいただきました。
前日にシマダコは良いエサになるという話をしていたので、見かけた時にわざわざ獲ってきてくださったのです。
その心意気を無駄にするワケにはいかず、ジグを外してジガーミディアムロック9/0のフロントフックのみにして、シマダコの頭にフックを通してキャストしてノーシンカーで落とし込んでみることにしました。

3

するとすぐにアタリがありましたが、何かのエサ取りのようで食い込んではくれません。
ある程度沈めたところでゆっくりと巻き上げていると、途中で「ゴン」という重いアタリがあり、止めて様子を見るとすぐに竿が絞り込まれました。

切り立っている磯で、しかもほぼ直下でのヒット。
ヒットした瞬間からゴリゴリとラインが擦られています。
経験上、ここで怯むとばらしてしまうことが多いですし、何より後悔しか残りませんので、むしろ強気になって強引なポンピングで寄せにかかりました。

ヒットしてしばらくはパワフルな引きでしたが、ある程度上げると大人しくなり、やがて水面に真っ赤な魚体のバラフエダイが浮かび上がりました。
サイズは80cmぐらいでしょうか。
釣り味は抜群ですが、シガテラ毒魚なのでもちろんリリース。

4

シマダコは非常に丈夫で、まだ十分使えましたのでそのまますぐに投入すると、次はチギがヒット。
シマダコは噂通りの優秀なエサでした。

ショアジギングを再開して少し経った頃、着水してすぐのフォール中のジグに当たりがあったので、ピックアップ後にジグをチェックしてみると、見事な大きな歯型が付いていました。
きっとカマスサワラだろうと推測し、ボイルしているサゴシを狙うように、撃投ジグハイパー150gを着水から5秒だけ沈め、1秒/1回ぐらいワンピッチジャークで攻めると、3投目でジグがひったくられました。
ヒットした瞬間からギラギラと大きな細長い魚体が見え、カマスサワラと確信。
魚族の中でもカジキに次ぐほどのトップクラスの遊泳速度だけあって、あっという間に左へ、右へ走り回られます。
根に突っ込むような魚ではないのでやりとりは慌てる必要がないのですが…今回ヒットしたのはフロントフックのみのジグ。
組糸が鋭い歯で切られる恐れがありました。
ヒヤヒヤしながら足元まで寄せ、担当者にリーダーを持って抜き上げてもらうと、恐れていたアシストブレイク。
しかし長い魚体のおかげで方向転換できなかったようで、しばらくその場に留まってくれたため、改めて担当者にキャッチしてもらいました。

5

カマスサワラが釣れたものの、潮はあまり動かず、この時は状況も良く無さそうに思えましたので、魚を船に預ける際に船長へ「次の弁当船の時に磯替えします」と言ってしまいましたが…その直後に堀さんにロウニンアジなどのアタリやチェイスが連発し、アオチビキがヒット。
何がきっかけになったかわかりませんが、時合いが始まったようです。

6

私はジグをやめ、フックをSTX-68#5/0に交換したポッパーのビギン180mmを投げることにしました。
これだけ水深があると、ダイビングペンシルのアピールでは弱いと判断したからです。

やがて磯周りにダツが増えだし、時々やる気の無さそうなカマスサワラのチェイスが見られるようになりました。
ルアーには反応しなかったものの、何かわからない巨大な魚影も…。

カマスサワラはヒットしないものの、頻繁にチェイスしてきました。
何とか食わせてやろうとキャストを繰り返していると、ドカンと派手なバイト。
重量感はないものの、速度はなかなか。
ただ、使っていたのがGT用タックルだったのであまり走られることなくあっさりランディング。

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初日より少し小さめなキハダ。
サイズの割りにバイトが派手なので、視覚的にも楽しめました。

その後弁当船が来ましたが…相談した結果、このままこの磯に居座ることを決めました。

8

しかし、時合いは短時間で終わってしまい、カマスサワラのチェイスもなくなりました。
「移動したほうが良かったのだろうか」と少々後悔しながらも投げ続けていると、何の前触れもなく突然海面が割れました。
姿を見せたのは再度カマスサワラ。
先ほどよりは少し小型でしたので、磯に上げる前にフックを外そうと激しくロッドを揺すってフックオフを狙いますが、なかなか外れてくれません。
堀さんがランディングを助けにきてくれたので、リーダーをつかんでもらおうとすると、波打ち際でフックオフ。
無事リリースができました。

納竿1時間前ぐらいでしょうか。
100mほど沖でダツを追って何かが激しくボイルを始めました。
すると担当者のダイビングペンシルにド派手なバイトがあり、私が釣っていたものよりも一回り大きな、丸太のようなカマスサワラがヒット。
強烈な疾走は見ていて飽きません。

磯際まで寄せ、波に乗せてタイドプールへ。

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10

そして納竿を迎え、沖磯釣行はこれで終わる、はずでした。
通常の釣行から考えるとこの3日間は十分な釣果だと思いますし、3日連続で沖磯に上がれただけでも満足すべきことなのでしょうけど…疲れきっているにもかかわらず、まだルアーを投げたい欲求は収まらず、それは皆さん同じでした。

朝まずめ港で投げるか、地磯へ降りるか。
でも遠路はるばる母島まで来たのだから、短時間だけでも沖磯で投げたい。

お願いすれば最終日朝だけ出船してくれるかもしれないよ、と西畑さんからアドバイスをいただいていたので、駄目元で船長にその旨を相談したところ、「今までやったことがないので少し相談させてください」と一旦保留となった後、しばらくしてから無事OKをいただきました。

ただ、帰りのははじま丸が10:00に出船するので、9:30までには乗船手続きを終わらせねばならず、釣りは8:45頃までのごく短時間の釣行。
分かれて上礁すると回収に時間がかかってしまうので、全員同じ磯へ乗ることを想定し、タックル1本、バック1個、クーラーは1個も持ちこまずで装備を統一。
そして夜のうちに宿のチェックアウトを済ませ、翌日の準備だけでなく、帰る準備や送付物の段取りを済ませ、万全の体制を整えて就寝。
さすがにこの日の夜釣りは控えました(笑)。

————–

5/2、沖磯釣行最終日。
それまでは比較的乾いた爽やかな朝が続いていましたが、この日は亜熱帯の小笠原らしい湿気を帯びた空気に包まれていました。
何かが起きそうな予感…。

低い雲が島を覆っている中、夜明けに出船。
今回は地元のアングラーの方々と同船です。

地元の方々をメガネに下ろした後、船は北のサワラ根へ向かいました。
船長のご配慮でまさかの朝まずめ沖磯釣行ができたことだけでも嬉しいのに、まさか名礁に上がれることとなり、全員の表情は期待で満ち溢れていました。
実釣時間が限られているので、上礁前にタックルにこれまで好反応だったビギン180mm+STX-68#5/0をセット。

サワラ根に近づくと、今までの沖磯とは比較にならないほど潮が流れており、この釣行で一番期待が持てた朝まずめとなりました。
とりあえず5人適当な場所で竿を出し、もし誰かが釣れたら釣り座を変えるということでスタート。
私は特に何も考えず磯の北東側へ入りました。

渡ってすぐはカッポレがお出迎え。
相変わらず付いてくるだけですが。。

朝イチは絶対何かあると信じ、操作ミスがないよう丁寧にスローポッピングしていると、ポッピング後のロッドを海側に戻しきったタイミング、しかも足元のサラシの切れ目で、すぐ隣りにいた堀さんが気づかないような静かな、小さな「チュパッ」としたバイト。
そしてポッパーをくわえて急速潜行。
不意のバイトで体勢を大きく崩しました。
比較的ライトなPE6号タックルを使っていたのが幸い。
もしPE8号タックルでガチガチなドラグ設定をしていたら、あの突然のバイトで落水していたかもしれません。

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とりあえず合わせを入れ、体勢を整えるため、しばらくは左ひざを磯につきながらのファイト。
ニープロテクトアンダータイツ(サンプル)を着用していて正解でした。

根ズレの可能性がある足場だったので、体勢を整えた後は竿を折ってもよい覚悟でドラグを締めこんで魚を止めにかかりました。
相手はさほど大きくはなかったので無事止めることができ、あとはひたすら強引にリフト。
やがて白い魚体のロウニンアジが姿を見せました。
最後はリーダーをつかんで川口さんと協力してランディング。

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上がったロウニンアジはサイズは手尺で1mちょい。
どちらかと言えばGTというよりはMTに入るのかもしれませんが、私にとって初めてメーターオーバーのロウニンアジでしたので、この日本の最果ての磯上で、しばらく一人喜びとやりきった充実感に浸っていました。

先に釣らせてもらったので、しばらくは竿を置いて皆さんの様子を見学することに。
激流で波気もあり、まだまだ続きそうな雰囲気がありますが、期待に反してすぐにはアタリが出ません。

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やがて雲は薄くなり、北西の空に虹が出現。
そしてまたザトウクジラも。
何かの吉兆だったのでしょうか。
担当者にも大型のバイトがありましたが…PE8号がまさかのラインブレイク。
前日のカマスサワラで傷ついていたのかもしれません。

残り1時間ほどで再度竿を出すことにしました。
最後はジグで魚を釣りたかったのと地形把握のために撃投ジグハイパー150g+ロック9/0を投入。
地形を把握しながら投げ続けましたが、意外と底潮は動いていませんでした。
底潮はジグを投入しないとわかりません。

そのうち磯名の通り周囲に大型のカマスサワラの姿がちらほら。
しかしルアーを投げても誰のルアーにも反応しません。
多い時は10匹近く見え、まるで何かの艦隊のよう。
サワラ根のポテンシャルの高さがうかがえます。

私の最後のヒットは潮上側の磯際でした。
中層まで巻き上げてきた撃投ジグハイパーにカンパチか何かがヒットし、突っ込みをしのぎきれたので、これからリフトしてやろうというタイミングでまさかのフックオフ。
恐らく身切れしたのでしょう。

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今釣行最後のヒットは川口さん。
回収直前で、今までルアーに見向きもしなかった大型カマスサワラが突然ヒット。
足場が非常に悪い箇所でのヒットでしたので、無理をせずに慎重にファイトされていました。
数々の磯を釣り歩いておられるだけあってさすがです。
3分ほどのやりとりでキャッチ。

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これが最後の魚となり、名残惜しいですが8:45にサワラ根を後にしました。

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そして急いで港へ戻り、慌てて宿で着替え等を行い、ははじま丸へ無事に乗船。
ははじま丸を見送ってくれる島の方々を出港する船上から眺めていると、数々の思い出に少し目頭が熱くなりました。
釣行前の「人生最初で最後の小笠原」なんて考えは頭の中から見事に消え去り、次いつ再訪しようかということばかり考える自分がそこにいました。

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時間的にも、費用的にも一介のサラリーマンには小笠原釣行はハードルが高すぎます。
明確な目標として持たないと再訪は容易には実現できないと思いますので、2年後の初夏に目標を定め、それに向かって釣行計画を立てたいと思います。
最後に、お世話になった寛惠丸築舘船長、ラメーフのスタッフの方々、ご一緒してくださった皆様、そして的確なアドバイスをくださった西畑さん、本当にありがとうございました。
皆様のおかげで記憶に深く深く刻まれた素晴らしい旅となりました。
新たな思い出を作るためにまた母島へ再訪したいと思いますので、その際はぜひよろしくお願いいたします。

担当者2 西浦伸至

2019.05.10 16:54 | Categories:撃投釣果投稿
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